DAINAGASHIMA

Football Trainer/Coach in the Netherlands

DAI NAGASHIMA

Wat is voetballen?

先週水曜日にVVON(オランダ指導者組合)とWorld Football Academy共催のシンポジウムに参加してきました。このシンポジウムは今回で第6回目を迎えましたが何気に初参加となりました。

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それで今回のテーマは『ONTWIKKELEN SPEELWIJZE』。訳すると『プレーの発展』でしょうか。どうやってサッカーをして、それをどうやって成長、成熟していくかという内容です。オランダ1部リーグで指揮をとる監督をはじめ,世界で活躍する監督が講師として登壇しました。ブログラムはこのような内容でした。

■15:30 – 16:20 プレーモデルの成長・発達におけるチームオーガンゼションの選択

Vera Pauw-リオオリンピック時の南アフリカ女子代表監督。

■16:20 – 16:30 休憩

■16:30 – 17:30 ワークショップ1

①守備/ 1-4-3-3(MF逆三角形)

John Stegeman-オランダ1部Heracles Almelo監督

②守備/ 1-4-4-2 (MFフラット)

Rene Hake-オランダ1部FC Twente監督

③ 攻撃 / 1-4-4-2 (MFフラット)

Ernest Faber-オランダ1部FC Groningen監督

④攻撃から守備の切替/ 1-4-2-3-1

Maarten Stekelenburg-オランダ代表U-19監督

■17:30 – 18:30 食事休憩

■18:30 – 19:30ワークショップ2

①守備/ 1-5-3-2

Darije Kalezic-サウジアラビア1部リーグAl-Taawon FC監督

② 守備/ 1-4-3-3 (MFトップ下あり)

Jurgen Streppel-オランダ1部Heracles Almelo監督

③攻撃/ 1-4-3-3(MFトップ下あり)

Erwin vd Looi-オランダ1部Willem II監督

④ 守備から攻撃の切替/ 1-4-3-3(MFトップ下あり)

Mitchell van der Gaag-オランダ1部Excelsior監督

■19:30 – 19:40 休憩

■19:40 – 20:30 チームの発展プロセス(Ajax)

Peter Bosz-オランダ1部Ajax監督

各ワークショップでは受講者が1、2の中からそれぞれ一人を選ぶという形式で、私が参加したワークショップはこの2つでした。

• 守備/ 1-4-4-2 (MFフラット)Rene Hake-オランダ1部FC Twente監督

• 守備/ 1-5-3-2 Darije Kalezic-サウジアラビア1部リーグAl-Taawon FC監督

オランダでは中々学べないチームオーガンゼションについてです。

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最終的に4人のトップレベルの監督から話が聞けたのですが、この4人に共通していることは確立された『哲学−フィロソフィー–』があるということ。そして、それを整理して説明ができるということ。この2つです。

FC Twente監督Rene Hakeは受講者に質問を投げかけ、議論する機会を敢えて作り、その問いに対してはっきり自分の回答・意見を伝えていました。その姿から全く不安や躊躇は感じられず自信に満ち溢れていたのが本当に印象的でした。

自分に当てはめて考えてみるとまだまだ薄く、論理的ではなく整理されていないなと。興味深い話が聞けて素敵な1日になりました。

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リーガ、FCバルセロナを見に行こう!

先週、クラブで選手育成、タレント管理、来シーズンのチーム編成に関してミーティングがありました。まず今のチームの近況報告やチームの問題を共有し、問題解決の意見(議論大好きオランダ人です。)を出し合いました。

U15に関してはセレクションチームの編成に変更があり、それに伴いそれより下のレベルのチームもレベル調整も含め、チーム編成が大きく変わりました。(滅多にありませんが)自チームからは一人の選手(U14)がU15の監督に認められ、上のカテゴリーに引っ張られていきました。嬉しさ半分、悲しさ半分です。それによって新しい選手がチームにやってきました。育成面に目を向ければ良いことですね。

さて本題です。

私が指導させてもらっているチームは街クラブですが大人チームを除けば50チームあります。(1チーム13人から15人の選手で構成されています)

これをどうやって管理しているか?

例えば、オランダのプロクラブAZはこうやって管理しているみたいです。

http://www.soccerlab.com/index.php/company-profile/press/item/check-out-the-video-about-the-database-project-at-az-alkmaar

https://twitter.com/SoccerLAB_GmbH

このSoccerLABのソフトを使って、クラブ、コーチ、メディカルスタッフ間で選手たちを管理しているみたいです。選手のパーソナリティーにまで着目している点が非常に興味深いです。

それで私のクラブでは今年からTalentoというソフトを使って管理するようになりました。新しい試みです。今まではそれぞれがなんとなく管理(Excelを使用)してシーズンの終わりには大忙しといった感じでした。。。汗。

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スターティングメンバー

スターティングメンバー

トレーニング出席率(全43回)

トレーニング出席率(全44回)

選手評価表

選手評価表

このソフトの中には、クラブの選手全員のデータが入っています。

■選手のポートフォリオ(連絡先、評価、パーソナリティー)

■試合(内容、結果)

■トレーニング(出欠席、内容とその評価)

■チーム・個人データ(試合、トレーニング)

内容は多岐にわたりますが、ざっとまとめるとこのような項目です。これでシーズンの終わりがだいぶ楽になるのではないかと思っています。

ではなぜ、こういったソフトを使って選手を管理するのかということです。非常に単純ですが「コーチングスタッフ間における選手情報共有の簡易化」。

これが第一の目的です。

この客観的なデータを元に選手について話しをします。一人に使われる時間が短縮されより多くの選手について情報を共有することが可能となるわけです。(現段階ではセレクションチームの監督のみがこのアカウントを渡され、データの入力が一応、義務化されています。)

また、今のクラブではそこまで考えていないと思いますがAZのVTRで述べられているようにタレント発掘のヒントとデータの貯蓄(どんな性格でどんな選手がプロに成れるか等)も理由の一つかと思います。さらに親のためというのもあるかと思います。親たちも大切な子供を預けていて、色々と知りたいわけでこういったデータを見せて納得してもらうこともできます。(例えば、うちの子供のプレー時間が他の子供よりも短いのではないかといった場合にも有効活用することができます。)

他にも有効な使い方があるのではと試行錯誤しながらこういったソフトが使えれば良いかなと思っています。あまり頼りすぎない程度にですが。

今日の試合もなんとか3−1で勝利!良い週末でした。それではこの辺で。

UEFAチャンピオンズリーグ決勝を見に行こう!

去年の10月からKoninklike HFC(U-15)というクラブで研修させてもらっているわけですが、有り難いことにロッカールームと試合中のベンチにも入れてもらっています。監督がどのように試合のために準備し、選手たちに働きかけているか、コーチングしているかを見せてもらっています。その中でも興味深いのは監督の役目の一つであるチームオーガニゼーション(日本で言うフォーメーション)の変更による戦術の変更です。

 

例えば0-0で前半を折り返した時、選手たちにどう働きかけますか?

叱咤激励?相談?確認?戦術変更?色々な方法があります。

 

オランダ人監督Foppe de Haanはロッカールームでこんな感じみたいです。

パッション、ラインの押し上げ、マークをすることに対して熱くコーチングしています。(戦術変更ではなく、チーム戦術の確認をしているようです。)

 

今日の練習試合では0-0で前半を折り返しました。

前半、相手のチームオーガニゼーションが1-4-3-1-2でHFCにとって難しい状況にありました。(どう難しいかはここでは割愛させてください汗)ただビルドアップの際、ゾーン2でボールを失うことが多くありました。

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監督はハーフタイムにいくつか約束事を確認し、叱咤激励しそのまま試合に選手たちを送り出しました。

この時点で戦術の変更(チームオーガニゼーションの変更)はありませんでした。

後半開始から10分経過した後、監督が動きます。スコアは0-0のままです。

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チームオーガニゼーションを1-4-3-3から1-3-4-3に変更しました。

ゾーン2で必ず1人フリーの状況が生まれるようになりました。

(あくまでも相手チーム戦略、戦術、各ポジションのマッチアップを考慮してこのオーガニゼーションを採用。正直、この判断が一番難しいと思いますが。。。そもそも机上の空論ではGKからのビルドアップが上手くいきません。。。)

その後、ボールポゼッションの時間が増え、トップ下の選手が起点になりその後、2点を演出。

これで終わらないのがオランダ。これを見かねて相手チームもチームオーガニゼーションを1-4-3-3から1-4-2-4に変更してきました。

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このタイミングですぐに選手の一人から監督にコミュニケーションがありました。

『相手の前の選手が4人になった』と。

ここから選手と監督で15秒ほどで解決です。チームオーガニゼーションを1-3-4-3から1-4-3-3に変更し、自分たちが得意とする形に戻りました。その後、3点を追加し、結局5-0で勝利です。

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こんなことがU15年代であっても普通に起こるオランダ。試合後は本当に頭が疲れます。

なぜこのような戦術変更を頻繁にするのか?できるのか?それがこの小国オランダの強さの秘密かもしれませんね。

Ajaxを見に行こう!

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