DAINAGASHIMA

Football Trainer/Coach in the Netherlands

DAI NAGASHIMA

Wat is voetballen?

Archive2017年3月

先週土曜、来週の首位決戦を前にアシスタントコーチと共にその対戦チームのスカウティングに行って来ました。絶対にチームのジャージは着て行くなよ、観客になりすませよと監督に釘を刺されましたが、俺がスカウティングに行ったらすぐ対戦チームにわかってしまうんじゃない?と思い、それを伝えたら確かにと言って爆笑していました。それでも結局、行かせてくれました。笑。

向かったのはこのクラブ。

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するとまさかの両チームとも白色のユニフォームで登場。。。笑

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前半はこの組み合わせで両チームとも平気で試合をしていました。オランダあるある?後半はさすがにホームチームがビブスを用意してそれを着て試合をすることに。

さて試合はというと、前半、今週対戦する監督が審判に暴言を吐き、早速退場処分になる波乱の幕開け。U-15であれ監督は退場処分になります。この監督かなりヒートアップしていました。ゲームはあれにあれ、そこからこのチームは失点を繰り返し後半残り15分で0−5。そして、最後に右ウイングの肘がたまたま負けているチームの選手の顔に入ったようでそこから乱闘が始まり、10分早く試合は終了。オランダあるある?怖い怖いと改めて実感しました。

さて前置きが長くなりましたがスカウティングの内容です。

どうやってスカウティングしたかというと、やっぱりサッカーとは何かが出発点となり、サッカーの構造を基にスカウティングも行われました。

監督から事前にスカウティングのポイントを聞いたのですがサッカーの構造、共通の言語(サッカーにおける)があることによって自分にとって初めての経験でしたがスムーズに物事が進んだような気がします。

①チームオーガニゼーションは何か?(1-4-3-3 or 1-4-4-2 or 3-5-2)

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②チームファンクションとチームタスクに関して。

簡単にいうと以下のポイントです。

1,攻撃➡︎ビルドアップ

2,攻撃➡︎チャンスを作る

3,守備➡︎ボールを奪う

4,守備➡︎得点を防ぐ

5,攻撃から守備への攻守の切替

6,守備から攻撃への切替

ここにフィールドを2等分もしくは3等分したり、オーガニゼーションがある状態とない状態など細かく分けられます。今回はU-15の試合で監督もシンプルが良いということでフィールドは2等分、オーガニゼーションがある場合のみでスカウティングすることになりました。これを元に対戦相手の全貌を掴んでいきます。

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(これは今回私が作ったものではなく、UEFA Aライセンスの際に提出されたHarry Akkermansという方の分析例:守備について)

あとは7,セットプレー攻撃、8,セットプレー守備です。

自分で作成したものは試合が終わっていないのでここには載せられませんがこんな形で作っています。こんなに細かくはありませんが。汗。

今回、監督から特に見てきて欲しいと言われた内容はこうでした。

■チームオーガニゼーション(トップ下ありかなしか)

■GKの能力について

■誰を主に経由してビルドアップがされるのか

■ビルドアップ時の弱点は誰か。

■攻撃の際、誰が探されるか。誰にボールが集まるか。

■守備はゾーンかマンツーマンシステムか。

■ボールを高い位置から奪いにくるか、それとも一度下がるか。

■攻守の切替における特殊した部分。

■セットブレーに関して(攻撃)。

■それぞれ気付いた点。

全貌を掴んだ後、監督にその全貌とこのポイントの答えをメールで送り、ひとます任務完了しました。

監督が必要とする情報はそれぞれ異なり、それが監督の色となり、勝敗を分けるんだろうなと思いながらこの監督が今週のトレーニング、試合でどのようにアジャストしてくるか今から楽しみで仕方ありません。また、試合後にもこのスカウティングの内容について聞いてみようと思います。

果たして役に立つのかしら。汗

おっと自分が監督をしているチームは現在、何気にリーグ首位を走っています!

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それでは。


06 Mar 2017

今週土曜に研修チームでベスト4をかけたカップ戦がありました。試合は1-1でPK戦に。コイントスの結果、先攻が相手、後攻が研修チームになりました。お互い3人までが成功し、相手の4人目のキックが枠を外れ、リードするチャンスが到来しました。長い助走の後のキックは残念ながらGKに止められてしまいます。しかし、先にGKが前に動いたとして蹴り直しが許されることに。2度目の長い助走の後、なんとこのキックもGKに止められてしまいます。チーム全体ががっくり。そして、5人目。ついにGKがこの5人目のキックを止めました。そして、チームの5人目がきっちり決め、なんとか勝利。これでカップ戦ベスト4です。

 

オランダはPKに勝てないということから試合後、勝敗に関わらず11歳までのカテゴリーでは必ずPK戦を行います。勿論、全員蹴ります。失敗して子供たちが泣いているのを良く見ます。(笑)

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そして、たまたまPKに関して面白い記事を見つけました。

https://decorrespondent.nl/1373/waarom-de-winnaar-van-de-toss-ook-vaker-de-strafschoppen-wint/121247110545-01c2a91d

『なぜコイントスの勝者はPKにも度々勝てるのか』という記事です。

FIFA World Cup、UEFA欧州選手権、Champions League, UEFA Cupなどの国際大会のPK1001回分を調査したところ先に蹴ったチームの60,6%が勝利しているそうです。よってコイントスに勝ち、先に蹴ることを選択すればこの確率で勝てる可能性があると言えるということです。このデータによると80.07%の確率でキックが成功しているそうです。そうなると後攻の場合、約80%の可能性で『同点に追いつかなければならない』という状況が起きてしまいます。これが心理的にプレッシャーになってしまい失敗という結果を招いてしまうのかもしれません。監督・コーチとしてキャプテンに対して、必ず先攻を選びなさいとアドバイスすることができるかもしれませんね。

ただそもそもPKは上手くなるのでしょうか?

ある人はPK戦を宝くじのようなものと言い、ある人は練習の賜物と言います。果たしてどちらが本当なのでしょうか。


私だけの経験から言うとPKは上手くなるかなと思います。少し言い方を私なりに言い換えると成功率を上げられるかなと。私は3シーズンだけSporting Martinusのトップチームでプレーしていて、練習で良かったのかなぜか試合でPKを蹴ることを任されていました。選手時代の私を知っている人は想像もつかないことかと思います。入れ替え戦、カップ戦、リーグ戦を含め確か7本くらい蹴った記憶がありますが全て成功させることができました。(少し自慢して申し訳ありません。)アマチュアクラブとはいえ200人から300人くらいのサポーターが毎試合、試合を見にくるわけで試合の状況関係なくそれだけで緊張していました。さらにPKを得た瞬間、いつも嫌だなと思っていました。(汗)

どうしたら成功率を上げられるのか。

ヒントはルーティンです。ラグビー日本代表の五郎丸選手でも話題になりましたがルーティンとは『決められた一連の動き、決められた一連の動作』のことを言います。それでPKの際、どんなルーティンを行っていたかと言うと実はある本の方法を自分にアジャストして行っていました。(当時は何かの参考になればと思い実験的に行っていましたが連続成功記録が続いてしまいました。)

その本とはこれです。オランダメソッドではありません。(笑)
「心理戦術」が日本サッカーを進化させる (サッカー小僧新書)
簡単にその方法を紹介します。

1、GKにお尻を向けてボールをセットし、置く瞬間を隠す

GKはキッカーの視線をなどでシュートコースを予測するので、GKから顔を背けて、判断材料を与えないようにします。

2、GKにお尻を向けた状態で遠くのゴールを見る

遠くの一点(ゴール)を見つめ、深呼吸をして集中力を高めます。振り返って自分が蹴るゴールを見ると、目の錯覚で大きく見え、余裕が生まれます。

3、レフェリーの笛と同時にスタートするのでは、自分の間合いでスタートする

『よしっ!』などの声を出して、心のトリガー(引き金)を引いて、助走を開始します。

 

そして、ここでは練習でも同じ動作、タイミングでこのルーティンを実行することが大切だと書かれています。皆さんもPKのルーティンを持っていますか?このブログが見てPKの五郎丸的な人が出てきたら良いなと勝手に思っています。そんなにこのブログ読んでないか。。。(笑)

引き続き、気ままに更新していければと思います。

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カップ戦、勝利後の集合写真。みんな嬉しそうでした。